2020/12/25、海外サプライチェーン多元化等支援事業に採択された京写(6837)の株価が一時ストップ高まで急騰しました。さて、翌営業日も株価が上昇するのか、それとも、好材料出尽くしで急落するのか気になるところです。
今回は、好材料の中身、企業分析を通じて翌営業日の株価を予想していきます。
海外サプライチェーン多元化等支援事業とは?
新型コロナウイルスの拡大により中国などの特定の国の生産品(製品、部品、材料など)への依存が顕在化しました。生産拠点を多元化、複数持つことで依存度を下げ、将来の別の感染症の拡大や災害発生時に大きくダメージを受けずに備えよう。そのような試みを実施する企業を国(経済産業省)が支援していく事業のことです。
京写(6837)は多元化事業で何をするのか?
当社は、本事業による生産拠点の分散が、グローバルに展開する日系企業のサプライチェーンの強靭化に寄与するものと考えております。主に自動車の電装化やハイブリット・電気自動車等の普及拡大により、両面プリント配線板の需要は国内外で増加が見込まれます。現在、京写ベトナムでは現地の日系企業だけでなく日本の企業からの製品の供給依頼が増加するなど、需要が急増し、早急な生産開始・製品供給を求められております。さらに、当社のベトナムにおける生産拡大は、関連産業の現地進出の可能性を高めることにもつながり、ベトナムの産業にとっても技術発展や雇用増など様々な波及効果が見込めるなど、大変意義のある事業であると捉えております。
https://www.kyosha.co.jp/content/uploads/pressrelease20201224r.pdf
ハイブリット・電気自動車の生産に需要のある両面プリント配線板をベトナムで生産するそうです。テーマ性があるプレスリリースです。
最近の業績は?
業績ハイライトを確認してみます。
売上高は直近5年間でほぼ横ばい。経常利益は減少傾向にあり2020年3月期に関しては98百万円と大幅減少。新型コロナウィルスの影響を受けているようです。自動車関連の売上は全体の約30%を占めています。また、2021年3月期Q1、Q2と2四半期連続赤字となっており、業績は厳しい状況と判断できます。
個人的に予想してみる
翌営業日も株価が上昇するかというと、なかなか難しいのでは?と思います。
ハイブリット・電気自動車関連とテーマ性もあり期待感はあるものの、生産拠点の準備にもそれなりに時間がかかるでしょうし黒字転換まで時間を要するのでは?と感じました(実際はわかりませんが)。
また、12/25時点で出来高が約3百万株、売買代金が約10億円となっています。この出来高を上回る買いが入ればさらなる上昇が見込まれますが、さて、どうなるでしょうか。もし空売りする場合、貸借銘柄でないため、日計り空売りとなり、翌日以降の下落に備えることができません。要注意です。
次回、後編で検証結果を報告します。お楽しみに。